生体システム解析・モデリング
循環器制御モデル推定による自律神経系の状態推定
自律神経系は我々高等生物にとって、生命維持のための欠かせない器官であるが、
物理的あるいは心理的ストレスなどによって機能不全に陥る(例えば乗り物酔い、
映像酔い、心的ストレスによる自律神経失調症など)。
直接、自律神経系の活動状態を計測することは困難であるが、我々は自律神経系の
制御を受けている循環器系の信号から循環器制御モデル推定を行うことで
間接的に自律神経系の状態を推定する方法を開発している。
光トポグラフィーや脳波を用いた脳情報処理機能の解明
睡眠や覚醒に関する研究は数多く存在するが、「眠気に逆らい覚醒維持の努力を
している状態の脳・生理機能」に関する従来知見はほとんどない。我々はこれまでに、
時間−周波数解析と情報理論的等価帯域幅の概念を用いて、通常の傾眠状態とは異なる
特徴的な脱同期現象が脳波に現れることを明らかにしている。これらは単調作業の
安全性や学習効率の向上に有意義な知見を与えている。